「HGUC ギャプラン」のレビュー記事です(^O^)

- メーカー:BANDAI SPIRITS(バンダイスピリッツ)
- 登場作品:機動戦士Zガンダム
- グレード:HGUC(ハイグレード・ユニバーサルセンチュリー)
- 価格:2,640円(税10%込)
- 発売日:2003年11月
- 購入手段:家電量販店
【レビュー結果】
造形・差し替えなしの変形ギミック・大ボリュームのブースターと満足度の高いHGガンプラでした!
年代的な面でパーツの精度や組みづらさは多少感じますが、可変を再現するために独自構造を持っていて作っていて楽しかったです(・∀・)
色分けもポイント毎に足りてはいませんが、概ね成形色で再現されていました。
付属武装は少ないですが、ギャプラン本体以上の大型ブースターはHGの中だと存在感のあるディスプレイを楽しめると思います。
一方、変形機構搭載のため一部パーツ強度が不安な点や胴体可動域がない点は少々残念なところ。完全に固定ディスプレイに特化したガンプラだと思います。
本記事では総合評価を先にまとめた後、外観・ディテールや可動域、付属品など詳細のレビューをまとめています。
もし再販で検討している人は是非参考にご覧ください!
※撮影の関係で外観グリーンの色味がブルーっぽく写ってしまっている点はご留意ください。
HGUC ギャプランのレビュー総合評価

- ★5段階評価点数:55〜60点
- ★4段階評価点数:49〜54点
- ★3段階評価点数:30〜48点
- ★2段階評価点数:16〜29点
- ★1段階評価点数:〜15点
評価は5段階で★4!
↑レーダーチャートで示す通り、可動面が極端に良くない点でマイナスが多いですが、外観とギミックに突出した高い評価をつけさせてもらいました!
良かった点・良くなかった点

- 造形・プロポーションが良く武装とのバランスが取れて見栄えが良い
- 変形ギミックは差し替えなしの完全再現で満足度が高い
- 大型ブースターを使うことで大小選んでディスプレイのボリュームが選べる
- 変形を実際に追体験できる
古いキットなのでずんぐりむっくりしたスタイルが心配でしたが、かなりバランスが整って立ち姿もかっこいい!
変形ギミックはオミットされていることが多いですが、それを差し替えなしで再現できており、精密さを感じます。

- 共通のアクションベースが使えない
- 胴体に可動軸がなくアクション性に欠けてポージングは難しい
- ハンドパーツのボールジョイントサイズ基準が異なる
2003年発売で、現在共通の3mm軸によるアクションベースに非対応。胴体可動域のないことも含めて、ポージング・角度の調整などができず躍動感を出すのは非常に難しかったです。
ハンドパーツのジョイントサイズも現在の規格と若干異なっており、差し替えて平手などを取り付ける場合は加工が必要と、年代的なデメリットを感じました。
こんな人におすすめ
ポジショニングマップ
- X軸:情報量、プロポーションの再現度、パーツの細分化による色分け度
- Y軸:変形・分離ギミック、武装・付属品の豊富さ、保持力
- 円のサイズと色:可動性の高さ
ディテールアップや塗装する人、固定ディスプレイを楽しめる人にはおすすめ!!!
ある程度パーツ分割はされていますが、やはり年代相応でもディテールは少なめになっているので独自のギャプランを表現しやすいと思います。
胴体が独自の構造をしているので、可動性の拡張などを考えている人はある程度技術が必要になるかもしれません。
破損の懸念があるパーツもあるので、その辺の修復ができるかどうかも含めて経験者向きのガンプラだと思いました。
逆に、最新キットからガンプラを初めた人には組みにくさや動かしにくさの点で不満に感じる可能性が高いと思うのでおすすめできません。
素組みレビュー:全体と各部位毎の詳細
全体の見た目や、各部位毎に詳細をまとめました!
まずは武装した全体の外観をご覧ください↓↓






成形色はネイビー・暗めのグリーン・レッドポイント・少量のイエローパーツで構成されています。※写真ではグリーン部分がややブルーに写っています。
胴体が短く四肢が長いですが、脚部のレッグアーマーでボリュームが出ていることで3角のバランスが取れていますね。
武装の「ムーバブル・シールド・バインダー」も大型で本体とのバランスも良くうまくデザインに溶け込んでいるように見えます。
正面から見ると特にそのプロポーションの良さがわかりやすいです。
以下、部位毎のディテールや可動性を実際に動かして解説します!
頭部:ディテールと可動域
造形・ディテール

- バイザー奥にはモノアイがあり、暗めで色がないと目立たない
- モールドは最小限だが形状的な造形はシッカリされている
- ネイビーパーツの一部表面にはヤスリをかけたような粗さがある
可動域

- 上に若干上がり俯きは不可
- 頭部レッドのバイザーは上下可動できる
- 首周りの回転は周囲のパーツ干渉で45度未満の可動のみ
首は軸関節での接続になっていて、上下には動かせますが左右への振りはできない仕様となっていました。接続をボールジョイントに変更することができれば可動域は拡張できそうですね!
腕部:ディテールと可動域
造形・ディテール

- 独特な形状のショルダーで一部凹凸のモールドで表現
- 肩可動関節は独立したグレーのパーツで構成

- 上腕から前腕にかけてモールドは控えめに造形
- 動力パイプは同色だが分割されている
- 前腕にはリベットモールドが刻まれているが、エッジはだるい
- 肘には「ムーバブル・シールド・バインダー」を取り付ける基部があり側面は肉抜きされている

ハンドパーツのサイズはHGUCと共通と思いきや、ボールジョイントのサイズが若干大きめになっていました。
オプションパーツなどを使う際には少し加工が必要そうです。

ショルダー・前腕は側面に目立つ合わせ目が出ます。
可動域

ショルダーカバーは↑画像の通り上下に可動できます。

- 腕は水平より大きく上がる
- 肩関節はギミックの関係で上下可動でき、怒り肩など上げ方や水平など好みに調整可能

- 上腕はロール可動できる
- 肘は90度まで曲がる
- 手首は若干全方向に可動できる
胴体:ディテールと可動域
造形・ディテール

- 胸部センターは曲面で前方に一部突き出している
- 左右にはイエローのインテークをパーツ分割で再現
- 突き出たパーツの裏は可変の関係で空間が空いている


- バックパックには先端にスラスター、付け根に3連装バーニアをパーツ分割で再現
- バックパックのトップ・サイドは広い面でモールドはなし
- トップから付け根を見るとインテークらしき造形パーツが分割である


- フロントアーマー中央が長く、やや斜めに出たデザイン
- 腰部アーマーはどれも面のみのノッペリしている
- リアアーマー中央にはパーツ分割されたバーニアがある

股間にはHG共通の3mmダボ穴はなく、変わりに独自仕様の太めの平軸ダボ穴があります。ポリキャップのものとも違うので互換性はありません。
可動域

胴体に可動域はなし!!!!

バックパックのスラスターは上下可動が可能。

フロント・サイドのアーマーは45度くらいまで上がり、リアアーマーは大きく跳ね上がりが可能。

股関節はボールジョイントで↑画像程度までしか開脚できませんでした。

股関節の独自スタンドにあったダボ穴は前後に可動できるので、専用スタンドと角度が合うようになっています。
脚部:ディテールと可動範囲
造形・ディテール

- 全体の中では比較的モールドが入っている
- 部分的な色分けはパーツ分割で再現している
- レッグアーマー・アンクル周りは大型
- レッグアーマー裏には3つのバーニアがパーツ分割で再現されている

レッグアーマーの前後には合わせ目が出ます。
可動域

- 足は前に45度くらいまで上がる
- 膝は二重関節だが沈み込みは浅い
- 爪先は垂直近くまで曲がり、水平より少し上まで上がる

開脚は狭いですが、足首の接地性は良かったです!↑画像の開脚幅までピッタリつきますね。
変形ギミック
「HGUC ギャプラン」はMA形態を差し替えパーツなしで完全再現!
早速変形!
変形手順は「バンダイホビーサイト:【HGUC ギャプラン】の組み立て説明書」をご覧ください。





フォルムもキレイにまとまっており、固定するロック軸もしっかり機能していました。
変形は一部パーツ強度が心配な箇所もありますが、変形後は安定しています!
4種の付属品一覧

専用アクションベースをタップで詳しく見る
ギャプラン専用の台座とブースターの補助スタンドが付属します。

組み立てると↑こんな感じ。

台座を支柱のスライドさせて差し込むタイプ。異常に硬かったのでぼくは半分くらいしか差し込めていません(笑)

ブースターを使う際にはギャプランではなくブースター側に↑画像のように取り付けます。

大型専用ブースターをタップで詳しく見る
大型の専用ブースターが付属します。

前後に2枚のウイングがあり、造形は良くできているがディテールはあっさりしていますね。

後方には大型のバーニア1基と小さめのバーニアが2基の3連装バーニア付き。

先端は取り付け軸が前後スライドできるので取り付けやすいように調整できます。

ブースターの先端にはギャプランの股間底部にあるダボ穴と同じものがあるので、そこに差し込んで固定。

簡単な構成なので中央にガッツリ合わせ目が出ます。ヒケも結構目立ってますね。

ギャプランと専用ブースターの全高を比較すると↑こんな感じ!ブースターの方が圧倒的にデカい^^;
変形させて接続すると↓こんな感じ。大分奥行きがあるのでディスプレイは少々難しかもしれない・・・。


ブースターはMAだけでなくMS形態にも装着できます!



MS形態にしても奥行きはやっぱりスペースをとってしまいますね。

ビーム・サーベルをタップで詳しく見る
「ビーム・サーベル」は2本付属。
成形色単色で分割なし。且つかなり短いので正直別キットで余ったサーベルを持たせてあげた方がいいです。

↑これが付属の「ビーム・サーベル」色もそうですが・・・本体に対して短すぎる!!!

「HGUC バーザム」から拝借してきたものをもたせた状態。グリップもシンデレラフィットして全然抜けないし、やっぱり色が違うだけでも見栄えが変わりますね。

ムーバブル・シールド・バインダーをタップで詳しく見る
「ムーバブル・シールド・バインダー」は左右分2つ付属。裏も肉抜きはされていませんが、基本的には広い面で構成。ディテールは少ないです。
「ムーバブル・シールド・バインダー」の形状は違いますが「アンクシャ」にも引き継がれている武装らしいです。
「HGUC アンクシャ」のレビュー記事で「ムーバブル・シールド・バインダー」を見る

基部はポリキャップで肘についている軸に接続。ロールや上下の可動ができます。

先端は「ビーム・ライフル」。

後方には2連装バーニア。バーニアの中央の部分はカットして独立させて取り付けることもできそうでした!
ギミックは↓以下の2つ。

シールドは「ビーム・ライフル」分延長可能。

先端にはグリップも収納されており、90度可動させてハンドパーツに持たせることもできます。
付属品は以上!!
「ポージング例」と「保持力」
爪先はビシッと可動できてメリハリはつきますが、膝の曲がりが甘い点や胴体可動軸のなさでダイナミックなポーズや躍動感の演出はかなり難しかったです。
詳細レビューを踏まえて「ポージング例」、「数時間動かした結果パーツの耐久力や保持力」をまとめます。
※大型ブースター装着写真は絵変わりがないので「付属品専用ブースター」に戻ってご覧ください。
【MAへ変形】




【浮遊させたり格闘させたり】





【ムーバブル・シールド・バインダーを構えて】




シールドなのでもちろん防御としても使えます。


「ムーバブル・シールド・バインダー」は意外とフレキシブルに動かすことができ、スッポ抜けもなく良好!
【ビーム・サーベルを持たせて】




↑ポーズによっては「HGUC メッサーラ」に似てる気がする^^

付属品紹介で述べた通り、付いてくる「ビーム・サーベル」はどうしてもクオリティが低すぎて使う気になれなかったのでバーザムから借りています。
レビューなのでほんとはそのまま使った方が良いんでしょうが・・・ダサすぎてガマンならなかった(´・ω・`)
ここからは適当に何枚か!





【ポージングを終えての感想】
以上がポージング例。
部位毎のレビューでもまとめた通り、頭部・胴体の可動域が極端に弱いため、どうしても固さがポージングに残ってしまいます。
特に首の可動が効かない点はサーベルもライフルも相手を見据える角度をつけることができないのでイメージさせにくい。
そして決定的だったのは、専用のディスプレイスタンドだと動きの向きを表現できないこと。
途中から100均のディスプレイスタンドで撮影していることで少しは固さがとれていると思いますがいつものアクションベース8のような柔軟さは表現できませんでした。
「HGUC ギャプラン」はアクションベースの互換性がないことも弱点だと思います。
保持力評価
保持力に関しては肩だけ劣化を感じる部分がありました。

【肩関節の分解】

独立した関節部分が前後からの嵌め込み式。小さいピンでの接続なんですが、PS素材が硬すぎて摩耗しやすいです。
動かしていると頻繁に動かす右肩が外れやすくなりました。ピンも細いので、頻度が多いと折れる可能性も感じます(´・ω・`)合わせ目消しと一緒に接着しちゃってもいいかもです。
流し込み接着剤と固めたくない箇所にも影響が出そうなのでその辺は注意!
組み立てレビュー:パッケージ内容と組み立て難易度

パッケージを開封して内容物や組み立て構成を確認!(゚∀゚)
パッケージ内容・ランナー・再販情報
パッケージ内容物・ランナーの詳細は下記再販情報記事でまとめているので、気になる人はそちらの記事も合わせてご覧ください!

難易度と構造
- 組み立て難易度:脱初心者~
- 組み立て所要時間:2時間程度(ゲート処理なし)
パーツ構成自体は2003年クオリティなのでそれほど複雑ではありませんが、変形の都合上独自の構造を持っており、パーツによっては細いものもあります。
破損する可能性を考慮して、いくつか昔のHGUCを作った経験のある人なら挑戦しても問題ないと思います。
↓組み立ての様子とパーツ構造の紹介。
まず胴体周りから組み立てになります。

頭部接続軸側面には変形に使うロール可動軸が確認できますね。

肩関節を取り付ける軸の周りにはビッシリモールドが刻まれています。ほぼ見えない箇所に全力出してました。


股関節は一般的な昔のHG仕様と独自の仕様がミックスしたような構造。股関節のボールジョイントは一体化していない分耐久力は落ちているはずなので、関節を外す時は気をつけた方が良さそう。

腕部は上腕から前腕まで繋げる長い軸。

前腕部は比較的見慣れた肘と手首のポリキャップを挟むだけの仕様。

レッグアーマー内部はがらんどうになることも多いですが、ギャプランはバーニアを取り付けるため大きめのフレームが入っていました。

足首周りと爪先はブロックが分かれており、ポリキャップに軸を差し込む仕様。大きく上下可動できる理由ですね。
素組み完成レビュー
↓画像を左右にスワイプ or ドラッグで「HGUC ギャプラン」を水平・トップ・アンダーで回転します。
素組み状態で武装を取り外すと↑こんな感じ。
「ムーバブル・シールド・バインダー」を取り外したことで細身になりますが、Aのシルエットで胴体が短く足の長いバランスに調整されています。
迫力は欠けますが、個人的にこのままでも結構プロポーションやシルエットはかっっこよくて好き!(・∀・)
組み立ての注意点:パーツの耐久力
以下は組み立てていてパーツ強度に不安を感じた箇所。
【腕部軸の耐久力】

上腕から前腕を繋げるパーツですが、嵌め込んだ時点で白化しました。この形状だけでも昔は頻繁に折れていた経験があるのに加え、精度の悪さ的にかなり不安が残ります。
【ハンドパーツの耐久力】

ハンドパーツに甲を取り付けただけで白化しました・・・悲しい(笑)

両手共↑画像の通り付けただけなので個体差とかではないと思います。
折れはありませんが、気になる人は気になりそう。
対策は事前にハンドパーツ部分を若干削って遊びを作る。削り過ぎた場合は瞬着で補強できると思います。
ピンポイント塗装ガイド【部分塗装初挑戦向け】
個人的に成形色だけでも見ていてかっこいいと思います!
無理して部分塗装するポイントはありませんが、塗装するならモノアイ!!!
バイザー奥にあってグレーの成形色。影になるとほぼ視認できないので、ここだけでもメタリックやキャンディ風に塗装すると良いかもしれません。
ゼータシリーズに登場するガンプラと比較
同じシリーズのガンプラと外観を比較。
【比較① HGUC マラサイとの比較】

同時期に販売されたマラサイと比較。ディテール量は同じ程度でどちらも造形自体は良く出来ていると思います。
ただ外観に関してはギャプランの方が接地性の影響もありかっこよく見えますね!
【比較② HGUC リックディアスとの比較】

リックディアスと比較。外観はリックディアスの方が多面的でディテールが多く見えます。こちらも同年代なのでクオリティ自体は大差ないように思います。
【比較③ HGUC バーザムとの比較】

最後にバーザムと比較。「HGUC バーザム」は2017年発売という点もあり、パーツ分割の面ではバーザムの方が細かくパネルラインが表現されていますね。
スタイルや密度もやや高く見える分、クオリティでは多少差がついてるように見受けられます。
ただし、デザイン的に好みがギャプランに寄っているなら、個人的にあまり差を感じないかも。
そう、ぼくはギャプランを気に入っている(笑)
HGUC ギャプラン【レビューまとめ】

再度レビューをまとめます!
ディテールに物足りなさは感じますが、造形・プロポーション・ギミックの面は文句なし!ギミックに関しては個人的に差し替えなしの再現はポイント高かったですね。
一方可動面は極端に悪く、加えてアクションベースが使えない点でも残念でした!
総じて、初めてのガンプラ制作には非推奨!!経験者の人におすすめ!!!
是非購入してディテールアップ・塗装して最高のギャプランを作り上げてほしい気持ち!!(゚∀゚)動かせないのは残念だったけど、パチ組み素立ちでもメッチャカッコ良かった。
以上、おわりー。


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