今回は「HGUC シュツルム・ガルス」のレビュー!
- メーカー:BANDAI SPIRITS(バンダイ スピリッツ)
- 登場作品:機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)
- グレード:HGUC(ハイグレード・ユニバーサル・センチュリー)
- 価格:2,860円(税10%込)
- 発売日:2014年07月12日 (土)
- HGUCシリーズ:No.183
- 購入手段:Amazonを利用
レビューの総合評価

- ★5評価点数:55〜60点
- ★4評価点数:49〜54点
- ★3評価点数:30〜48点
- ★2評価点数:16〜29点
- ★1評価点数:〜15点
ディスプレイ特化のHGガンプラだと思います!固定ポーズや素立ちディスプレイするのにおすすめ!
数カ所パーツの保持力が弱い点が気になりますし、一部パーツの破損が心配になる箇所はあるものの、可動域は必要最低限確保されポージングも決まります!
グレーのフレームとブルーの外装の組み合わせでメカディテールもあり、外観的にプロポーションも良く見栄えが良いガンプラでした!
本記事では↓下記の2つに分けて順にレビューをまとめていきます!
- デザインやプロポーション、可動域を確認したい人向け
- 組み立てやすさや注意点、改造などでパーツを確認したい人向け
全体・部位毎に確認|外観・可動・ギミックをレビュー
まずは全体の外観を確認!シールなしで↓こんな感じ↓








武装を装備させても両手が空くスタイル。露出したフレームはグレーの成形色でメカディテールが多く表現されています。
モールドが少ない一方、分割パーツでパネルラインがちゃんと表現され自然なディテールが表現されていると思いました。

↑完成見本がコチラ。爪先やインテークなどのレッド、エンブレムのブラックとホワイトなどがあるとアクセントになりますね。

「レッド・エンブレム・イエロー」など結構色分けは足りていませんが↑付属シールでカバーできます。
個人的に成形色の色合いやバランスが良いので、モノトーンが好きな人にはシールいらないかも!使うとしてもエンブレムくらいですね。
下記では部位毎に詳細をレビュー。
頭部
造形・ディテール

- 胴体に対し頭部は小型で縦に長いデザイン
- 後頭部は露出して内部フレームや動力パイプが表現されている
- モールドは少なく前頭部から後頭部にかけて曲面になっている
- フェイス先端には胸部に入る動力パイプを再現
- 後頭部から見える動力パイプ側面にはパーティングラインが入っている
可動域

- 俯きはできませんが上方向に少し可動できる
- 左右に少し振ることができる
- 動力パイプのパーツが干渉して回転は少しだけ
ギミック

頭部フェイス内部のモノアイは横可動できます。
腕部
造形・ディテール

- 肩部はフレームが露出して、前後には四箇所細いマイナスモールド入り
- 肩部付け根にはマグネットアンカーを装備

肩部トップには四角のダボ穴があり、そこにグリップを差し込むことでショルダーアーマーを取り付けできます。

トップ・サイドにモールドはなく合わせ目が出ます。

- 上腕にディテールは少ないが、肘下腕部はパーツ分割とシリンダーの造形・丸モールドでディテールが多い
- 前腕裏にはエンブレムがモールドで造形

前腕裏、エンブレムの上には四角いダボ穴が左右にあります。これは「スパイク・シールド」を固定するためのもの。

前腕の前後には目立つ合わせ目がでます。
可動域

- 肩関節は前方に引き出しでき、後方にもボールジョイント分可動できる
- 腕は水平まで上がる

- 上腕は360度回転できる
- 肘は1軸で90度より若干上がる程度まで曲がる
- 手首はほとんど動かせませんが、軸を少し引き出すと大きく可動できる
胴体
造形・ディテール


- 胴体正面はブルーの外装に凹凸モールドで造形されている
- 胸部上部には頭部の動力パイプを差し込むスペースがある
- 背面には「チェーン・マイン」を取り付けるための四角ダボ穴があり、グレーパーツの隅には丸モールドが造形されている

- 腰部アーマーはネイビーで成形されモールドはほとんど入っておらず少量の凹凸モールドのみ
- 腰部アーマー上部には動力パイプのパーツがあり、材質は軟質ではなく硬質
- 動力パイプ側面にはパーティングラインがある
- フロントアーマーは短い
可動域

フロントアーマーは大きく上下可動、サイドアーマーは若干上下可動。

- 前屈はできず仰け反りは大きくできる
- 腰部ボールジョイント分左右にも胴体を振ることができる
- 捻りは45度くらいでウエストパーツとフロントアーマーが干渉する

180度とまではいかないが広い開脚ができるのでアクションポーズには問題ありません!
脚部
造形・ディテール

- 装甲のモールド量はワンポイント程度
- パーツ分割とフレームのメカモールドでディテール密度のある表現がされている
- 膝には動力パイプが造形されている

- アンクルアーマーの一部はスリッパと一体化している
- アンクルアーマー内部には大きなリベットモールドでパーツが造形されている
- 爪先は細く長いのが特徴
- スリッパ裏は先端に9つの丸モールドが造形され、パーツ分割されている

大腿部には側面、脹脛部分に合わせ目が出ます。

可動域

- 足は前に水平程度上がる
- 膝は90度程度
- 足首は上下共45度くらい可動できる
HGUC シュツルム・ガルスの「耐久力と保持力」評価
パーツの耐久力は問題ありませんでしたが、保持力が気になる箇所がやや多めでした!

首の抜けをタップで確認

くびの接続はボールジョイントなんですが、頭部付け根がスッポ抜けやすくなっています。
スパイク・シールド可動基部をタップで確認

シールド状態の場合、基部に細い軸が使われており、前後から挟み込む仕様。この軸がやや抜けやすく、シールドを動かしていると徐々に抜けやすいのが弱点。
補強するなら真鍮線に差し替えて使った方が良いかもしれません。軸を太らせても破損するリスクが上がりそうでした。
スパイク・シールド取り付け基部をタップで確認

↑画像の矢印で示す通り、腕部に「スパイク・シールド」を取り付けるとテンションでパーツが緩み、抜けやすかったです。左右から挟むスナップフィットが若干緩くなり、結果シールドの基部も緩む流れですね!
ぼくがパチ組み状態で対策するなら、差し込む基部の先端のみ若干厚みを増してフックになるようにするかな・・・。
手首をタップで確認

手首は標準のボールジョイントなんですが、内部の保持力が弱く「チェーン・マイン」を持たせて保持させるのが難しかったです。
大腿部をタップで確認

大腿部はポリキャップと軸の接続。加工がなくただの軸なのでロールさせていると徐々に抜けてしまいます。
股関節をタップで確認

股関節の3軸はスッポ抜けはないものの、前後に勝手に動きがち。3軸でよくある問題なので、気になる方はポリキャップと接着させてもいいかもしれません。
以上が気になる保持力不足の箇所。
下記記事で保持力アップに関しては対策をまとめているので参考にしてみてください。
付属品一覧

チェーンマインをタップで見る

成形色のグレー単色ですが、モールドは十分な量が入っています。デザインは「HGUC ケンプファー」に付属するものと同じですね。

グリップは違いがあり、ケンプファーでは固定するためのダボ穴があったんですが、「HGUC シュツルム・ガルス」ではついていませんでした!その代わりハンドパーツにはフィットしますし、簡単にパーツが取れることもありませんでした。

問題なのはグリップに接続する硬めのリード線。結構スポスポ抜けるので、売らない人は接着しちゃっていいと思います!でないと「チェーン・マイン」を持たせるのは難易度高め。

「チェーン・マイン」は収納した状態を差し替えパーツで再現。ケースのようなものにはモールドで装飾されています。
特徴なのは取り付け基部が斜めになっていること。掴みやすさをイメージした角度。

収納状態のグリップは平軸で固定。

取り付ける角度を変えれば開いた状態にもできます(用途は特にありません)

マグネット・アンカーをタップで見る
「マグネット・アンカー」が2個付属し、リード線は長いものが1本付属。

肩部にある収納状態のパーツを取り外し、リード線を差し替えで射出を再現する仕様。

スパイク・シールドをタップで見る
「スパイク・シールド」が左右腕の分付属。シュツルム・ガルスの専用装備で、ザクⅡ用とギラドーガのシールドを合わせたもの。
「HGUC ギラ・ドーガ」のレビュー記事でシールドを参考に見る

シールドは中央にある基部が可動できます。

多少前方にも可動できました!

形態は2タイプ。通常のシールドとして使うか、スパイクのあるナックルガードにするか選択できます。
形態の変形は専用の差し替え基部に差し替え。変形のプレイバリューはありましたが、個人的に基部の差し替えが複数箇所あるので面倒さも同時に感じました。

肩部に取り付けていた基部はナックルガードのグリップにも使えます。

ちなみにナックルガード用の差し替えパーツは↑画像の2つ。
付属品は以上!!
HGUC シュツルム・ガルス:ポージング例と感想
まずはレビューを踏まえて「HGUC シュツルム・ガルス」で再現できるポージング例を紹介!



【殴りポーズ】

腕部が腰部を超える長さなのでSEED系に物足りない表現ができると思います!
【蹴りポーズ】

開脚が広く爪先も細いのでシルエットの鋭い蹴りポーズがつけられました。ただ胴体の捻りが弱いので固さが少し残ってしまいました。
【シールドを構えて】


「スパイク・シールド」は多少可動ができますが、腕部周りやポージングの幅が狭いので見せ方が少し難しいですね。
【スパイク・シールド(ナックルガード形態)】


腕部の太さ・長さが延長されボリュームが増していることで振り抜いたアクションポーズに重量を表現できていると思います!
【マグネット・アンカー射出】


「マグネット・アンカー」はリード線が長く、かなり柔らかいので形状を維持するのがかなり難しかったです。
1本でそのまま使わず、2つにカットして使っても良いかもしれません。射出部位が肩部ということもあるので、胴体の可動が弱いと躍動感の演出が難しかった(´・ω・`)
【チェーン・マイン】





「チェーン・マイン」のリード線は太めで形状を整えやすく、ハンドパーツにもフィットしてディスプレイしやすかったですね!
先述した通り手首・リード線とグリップの保持力が弱いので補強しないとディスプレイは確実に難しいと思います。
「チェーン・マイン」は「アクションベース6」などの補助台座を使うと自由度が上がるのでおすすめ。
あとはテキトーに何枚かどぞ!(^O^)





動かしてみた感想
実際に動かした感想としては脚部周りは比較的柔軟!開脚幅もあるので構えるポージングはつけやすい印象。
一方、胴体周りが制限されるので若干躍動感を出すのが難しいように思ったのと、何より頭部周りの可動が狭すぎるのが残念でした!
今回はモノアイのシールを使わずに撮影したので、貼ると視線の表現もできて良くなる可能性はありそうです。
組み立てレビュー:難易度と注意点

「HGUC シュツルム・ガルス」はかなり組み立てやすかったです!
パーツ数もそうなんですが、ランナーをあっちいったりこっちいったりせず、説明書の手順通りに1つのランナーにまとまっているものが多かった。
初心者の人でもストレスなく組み立てできると思いますし、ランナー自体も小さいものが多数。
- 組み立て難易度:初心者~
- 組み立て所要時間:1時間半~2時間程度
パッケージ内容をタップで見る


箱側面には設定画の「シュツルム・ガルス」も掲載。

パッケージ内容物は3袋にまとまっていました。




ランナーの実物をタップで見る
ランナーは全部で8枚にポリキャップ1枚で構成。KPSは使われていません。







組み立て:構造と特徴
簡単な構造を紹介。
「頭部の組み立て・構造」

頭部内部はグレーのパーツ単色で内部フレームを感じさせる構造と造形。

フェイス先端は外装をつけると目立ちませんがパーツが左右に離れやすい!先端はピン接続になっていないので、保持できていない感じでした。
外側から見えないので視覚的に気にはなりませんが、気になる人は接着しても良いかもですね。

裏から見ると↑こんな感じ。
「胸部の組み立て・構造」

肩部はブロックで構成され、単純にポリキャップを仕込むだけではなく胴体に幅が出る仕様になっています。

胸部には大型のボールジョイントをポリキャップに差し込んだ軸が通っていますね。左右・仰け反りができる可動軸です。
首はポリキャップの小さいボールジョイントでの接続。
「肩部の組み立て・構造」

肩関節は2つのポリキャップを前後から挟み込むだけの簡単構造。
「腕部の組み立て・構造」

対して腕部はフレームのような構造で内部密度は高め。
「足首周りの組み立て・構造」

足首用ポリキャップを左右からグレーのパーツで挟み込み、ネイビーの外装パーツを取り付ける仕様。
「脚部周りの組み立て・構造」

膝は独自の軸パーツをポリキャップに差し込み。あとは平軸用の受けポリキャップを取り付け。

↑平受けポリキャップに差し込むパーツは要注目!
実際に起こってはいませんが、この平軸が薄く長い。ちょっと無理に負荷を加えてしまうと破損する可能性がありそうでした。
「腰部の組み立て・構造」

腰部はボールジョイント・3軸股関節用ダボ穴・サイドアーマーと3つの用途に使うポリキャップを仕込んでリアと前後で挟み込み。

構造はシンプルで特に工夫は見られません。

フロントアーマーは1パーツ成形で、良くあるものとは形状が異なっていますが、中央カットで左右独立可動はできました!
カット後はしぶみも良好でカチャカチャしません。

腰部に取り付ける股関節パーツは3軸のものが作用されています。

ブロック毎にパーツを組み上げると↑こんな感じ。
「余剰パーツ」

余剰パーツはポリキャップのみ。
パチ組み状態の「HGUC シュツルム・ガルス」









専用武装を取り外すとスタイリシュな外観に宇宙人を思わせるノッペリした頭部が際立ちますね。
また、外装から露出するメカディテールも豊富で、武装はないけど個人的には悪くない見栄えだと思いました・ω・
組み立てる時の注意点

注意点は強いていうならポリキャップのバリによるパーツのかみ合わせの影響。挟む際にバリが大きいと干渉したり、スペースに収まりきらずうまく嵌まらない可能性があるので注意してねー。
関連ガンプラとの比較
「シュツルム・ガルス」と関係のあるキットと比較してみます!
「HGUC ガルスJ」との比較



「シュツルム・ガルス」は「ガルスJ」の発展機体。
全身を比較すると頭部・胸部・脚部の随所に類似造形が見られますが、プロポーションスタイルは大きく変更されています。
シュツルム・ガルスは近接戦闘機体のガルスJをよりスタイリシュにし、機動性を高めたようなデザインに落とし込まれています。
スラスターやバックパックのバーニアはオミットされ、より軽装備を意識した外観。
「頭部比較」

シュツルム・ガルスの頭部は幅は変わらずですが縦の長さが省略されています。
発売は「HGUC ガルスJ」2025年。「HGUC シュツルム・ガルス」は2014年と約10年の差がありますが、シュツルム・ガルスの方は左右に可動できるのは強み!
「胸部比較」

胸部はモールドの差がありますがほとんど同じ造形デザインになっていました。
「脚部比較」

比較で分かる通りシュツルム・ガルスの爪先は合わせ目がクッキリでてしまいますが、ガルスJはそれがありません。この点では約10年の進化が見られます。
サイズは「HGUC シュツルム・ガルス」が大分細くなっていますね。
「HGUC ローゼン・ズール」との外観サイズ比較

同シリーズに登場する大型のHGキット「HGUC ローゼン・ズール」と比較するとサイズ差は↑こんな感じ。
頭部までなら丁度頭1つ分ローゼン・ズールが大きく、特に脚部の長さには差がありました。
「シュツルム・ガルス」は基本的にHGの標準サイズ。武装もマウントできるので「チェーン・マイン」を展開してディスプレイしないなら飾るスペースをとりません。
HGUC シュツルム・ガルス【レビューまとめ】

ポリキャップを使った関節で数点弱点が見られますが、全身のメカディテールにプロポーション。多少可動は制限されるものの近接機体らしいアクション性に専用武装のプレイバリューは魅力的なガンプラだと思います!
一方で、保持力の補強は必須!!!初心者に向かない点で考えるとメーカー希望価格「2,860円(税10%込)」と考えるとコストパフォーマンスが良いとは言えないかな。
ただ、組み立てやすいのでガシガシ動かさないなら初めての人でも挑戦してみるのは良いと思います!ディスプレイするだけでも普通にカッコいいですよ(*^^*)
以下長所と短所をまとめます。
長所と短所

- 組み立てやすく初心者さんでも挑戦しやすい
- プロポーション・造形が良く成形色でも十分クオリティは高い
- 「スパイク・シールド」の形態変更で見せ方を変えることができる
- 武装は必要最低限だがボリュームがあり満足度が高い
- 頭部にはモノアイの可動ギミックが搭載

- ポリキャップの保持力不足箇所が随所にある
- 可動域、特に首回りの可動が制限されて表現の幅が狭まる
- 見栄えは良いが若干コスト的に高額
こんな人におすすめ
先述した通り、ガシガシ動かして楽しむ人には不向き!もし動かしたいなら随所の可動部位を補強するのが必須になるので、自分で対策できる人におすすめします。
ユニコーン系のキットが好きな人や単純に塗装して楽しむ人にも良いかもしれません(^O^)
レビューは以上、おわりー。
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