ガンプラを手軽で手っ取り早くワンランク上げる方法「スミ入れ」。やり方は簡単ですが、初心者が最初に挑戦すると心配になるのもわかります。・・・・実はそれ大正解!!!(=゚ω゚)ノノパチパチ
というのも、Youtubeなどで情報を得る方も多く、スミ入れの知識がないまま”エナメル”をとりあえず購入した方もいるはず。
間違ってはいないんですが、「素組み」か「塗装か」で実は使うものが全くことなり、素組みの状態でエナメルを使ってしまうと、最悪破損します(‘ω’)ノマジデ
本記事では、”そもそもスミ入れって何のためにするのか?”や、素組みと塗装済みに分けてガンプラにスミ入れする方法やツールを初心者さん向きにお伝えします。
見れば自分はどれを使えばいいのか一目でわかると思うので是非参考にしてみてください。
【タイプ別】スミ入れの方法まとめ
それではスミ入れの方法を紹介しようと思うんですが、冒頭でも述べた通りスミ入れと言ってもやり方は多彩。ガンプラをどういう風に仕上げるかで使うものも変わってきます!
ここでは、
↑上記2つに分けて方法を紹介します。
素組みにスミ入れする4つの方法
素組み時におすすめする3つのスミ入れ法を紹介!
それぞれの修正方法も書いていますが、共通してサンドペーパー(紙ヤスリ)で表面をヤスって修正する方法もありますので(‘ω’)ノ
■素組み向き方法① ガンダムマーカー極細を使う
手頃で購入できて種類も豊富なガンダムマーカー。その中にスミ入れ専用の物も販売されています。最もスタンダードな初心者向けのツール。
極細の場合、溝に沿ってペンで線を入れていくだけで簡単ですし、極細なので塗料を無駄にすることもありません。はみ出した場合はティシューや消しゴム、専用の消しペンを使うことで修正することができます。
■素組み向き方法② ガンダムマーカー流し込ペンを使う
こちらも同じペンタイプですが、流し込み専用なので、一部に塗料を入れると細部まで流れ込むようにスミ入れができます。Youtubeで多いエナメル塗料でスミ入れしてるイメージ。
書き込むタイプより手間がかからないのがメリットですが、必要以上に塗料が出てしまうこともあります。
上記↑は消しペンを含む6本セットで、スタンダードな外装別に使えるカラーの初心者向けセット。色選びが心配な方におすすめ!
塗装する方の場合、ガンダムマーカーはメリットがあまりないかもしれません。気になる方は↓下記事も合わせてご覧ください。
■素組み向き方法③ ガンダムマーカーシャーペンを使う
シャーペンを使ってもスミ入れはできます。塗料を書き込むタイプや流し込むタイプよりも扱いやすく、失敗しても消しゴムで簡単に消すことができます。替芯も販売しているのでコスト重視の方におすすめのツール。
ただ、太さが0.3mmと太目なので細いモールドに入れるスミ入れとしてはちょっと合わないかもしれません。他のスミ入れ法を補助する目的で持っておいた方がいいかも・・。
シャーペンは専用のものでなくてもOK!ただし、
- 溝に入る芯の太さであることと
- 薄すぎないこと
この2点を満たさなければならないので、文房具だと結構少ない。0.15mm~0.3mmあれば使えると思います。
塗装済みでスミ入れする方法
続いて塗装済みの場合のスミ入れ方法。
■方法 スミ入れ用エナメル塗料を流す
Youtubeなどの塗装動画で多く使われている手法がこちら。スミ入れ用エナメル塗料には溶剤が多く含まれているのでプラスチックのパーツに直接塗布すると傷める可能性があります。
事前にサーフェイサーや塗装で塗膜を張ることで直接パーツに触れることを防いだ上で行なうのがベスト!
後は専用塗料を流せば毛細管現象で細部まで流れ込みます。
注意点としては流す箇所をある程度考えた方がいいですね。関節系や見えない場所に流れ込むと、固まって可動に影響がでたり、最悪塗膜が張っていない箇所に流れ込んで割れる可能性もあります。
どちらにも使える方法!
■方法 水性塗料を使う
水性塗料は極細筆で溝に沿って塗ることで陰影表現はもちろん、独自のオリジナルのラインを引くこともできます!(金色とか赤いラインがパネルラインにあるとかっこいいですよね)
エナメルとは違い、水性ホビーカラーに溶剤は含まれていないので素組みでも安心して使うことができます!濃ければ希釈に水も使えるので、より個性を出したい方におすすめ。
修正も簡単なので、今後筆による塗装を考えている方の一歩目にも丁度良いと思います。
※注意点としては水性塗料で塗装している場合、拭き取る際に一緒に塗膜を落としてしまう可能性があるので注意!この場合はエナメルとか別の方法使った方がいいかもですね。
スミ入れの良くある失敗例
スミ入れは手軽ですが、先述した方法の違いにもある通り、情報をちゃんと知らないと失敗することが結構あります!
ここでは、良くある失敗例とその原因・対策例を簡単にまとめます!あくまで一例なので、他の原因の方は別途調べてみてください。
下記でそれぞれ詳しく解説。
スミが入らない
スミ入れをしてもちゃんと入らず、はみ出た箇所をふき取ると全部拭き取ってしまう。
【原因】
- モールドが浅すぎる
↑画像の通り、一見モールドが入っていても実際に流してみるとかなり浅いことが素組みだと結構あります!
原因の対策
スミ入れが必要か一回考えて、必要なら浅いモールドを掘り直すスジボリが必要。タガネやスジボリカーバイトなどで掘り直す。
モッサリして見える
スミ入れしても「なんかダサい」、「なんかモッサリしている」などガッカリする気持ちが強い場合以下の原因と対策が考えられます。
【原因】
- スジボリした線が太い
スケールに対して掘った線が太すぎる。 - スミ入れした塗料の色が濃すぎる
塗料が濃すぎてスジボリした線が強調しすぎている。
ちょっと見た目が汚いですが、比較するとこんな感じ。線が太い箇所が多いと野暮ったく見え情報量として繊細さに欠けると言えます。
原因①の対策
スミがはみ出していないか確認し、太さが適正かチェックする!太くスジボリしてしまっている場合上からベース塗料に近い色を重ねて隠蔽する。次回からはスジボリの太さに注意する。
ガンプラなら0.1~0.2mm!おすすめするスジボリの太さ!
原因②の対策
こちらも上から別の色を流して隠蔽して修正する。次回よりカラーの選び方を変更する。真っ黒のブラックは基本あまり使用しない。
線がガビガビになる
スミ入れした時、線がまっすぐでなく曲がっていたり、周囲に滲んだようになっている場合。
【原因】
- スジボリがキレイにできていない
真っすぐ線を引けておらず、違和感に感じてしまう。 - スジボリ時の毛羽立ちが処理されていない
毛羽立った細かいプラにスミ入れした塗料が入り込んんでエッジをぼやけさせている。
↑画像のように線が曲がったり線の毛羽立ちが処理できておらず、細かいブツブツがあるのがわかります。
原因①の対策
スジボリをできるだけ真っすぐした方がいいので、引く位置や角度にガイドテープを使用する。
原因②の対策
スジボリした際に出る縁の毛羽立ちを除去する。
パーツが割れた
スミ入れしたらパーツの一部にヒビが入ったり割れてしまった場合。
【原因】
- ガンプラに直接”エナメル”スミ入れ塗料を使った
エナメル塗料と溶剤がプラパーツに浸透し内部を侵食。周囲からかかるテンション(圧力)で割れてしまう可能性。
画像はぼくの最初の作品。塗装後にエナメルを流した際、塗装されてない所に流れてしまいテンション掛かって割れました。
原因の対策
スミ入れとして使う場合は塗装したり、表面の一部に限定する。
スミ入れ線がぼやけた
塗装後スミ入れしたら線が滲むようにぼやけて回りが汚れたようになった。
【原因】
- 艶無しトップコートを吹いてからスミ入れした
艶なしトップコートは表面に多くの凹凸ができます(表面にヤスリがけしたようなイメージ)。流し込み塗料の場合、浸透率が高いので凹凸の隙間を通って周囲に広がっている。
上記は表面をヤスリがけしたプラ板ですが、これと同じようにトップコートで艶無しを吹くと表面に無数の凹凸ができ、スミを入れると同じ現象が起こります。
原因の対策
修正は難しく、部分的に一度ヤスリで剥がして再塗装をおすすめ。次回から艶無しトップコート前にスミ入れすることで防げます。艶ありの場合はとトップコート後にスミ入れでもOK!
スミ入れのタイミングに関して詳しくは↓下記事にまとめてます!
スミ入れの色選び方法!
スミ入れはよく定番のようにブラックが紹介されていますが、意外とブラックって強調が強すぎて使い所が少ないカラー。(デザイン的にも真っ黒ってダサいんですよね)
初心者さんならまず持っておいて間違いない色は「ダークグレー・グレー」ですね!ガンプラは主人公機体などホワイトが多く使われます。ダークグレーやグレーはそれらの色に対して最適な色。
あとは選び方として、スミ入れするパーツに近い濃い色を選ぶといいでしょう!イメージとしては影とその箇所の色が混ざった色ですね。
なので、スミ入れする箇所より”濃い”ものを選択するとOK!
ガンダムマーカーの場合、複数種類が容易されているので、その中から近い色を選べば大丈夫!(^^)!
↓関連記事として黒い機体に限定していますが、スミ入れのおすすめの色を紹介しています。興味があれば合わせてご覧ください。
スミ入れはなんの為にするのか?
そもそもなんでスミ入れするのか?「解:単純にかっこよくなるから!」←間違いではありません!むしろ大正解。
ただ、もっと根っこの部分。”なぜやるとかっこよく見えるのか”を知っておくと今後ガンプラ制作のクオリティをより引き上げる要因になると思います。
深くは語りませんが、単純に”リアルさ”を表現できるというのがあります。
ガンプラにはモールドやパネルラインなどの造形が入っていますが、組み立てた状態のガンダムがもし存在したとして絶対的に足りない物があります。
それが「陰影」。スミ入れは本来あるはずのモールド間の陰影などを表現するのが目的(‘ω’)ノ
陰影が入ることで立体感が増し、よく言われるパキッと引き締まったように見せることができます。影はディテール(情報)の1つで、足すだけで多くの情報量を追加できる便利な手法というわけ(‘ω’)
最初は気にする必要はありませんが、陰影は全てのパーツに必要ではなく、まばらにあるものでもありません。光の向きを想定したり、ここに陰影はないよねっていう理解があれば無駄な情報を省いた繊細なガンプラを作ることだってできます!
デザインの魂は細部に宿るってやつですね・・・ちょっと違うか(笑)
偉そうに語りましたが、ぼくはデザイナーなのでこの辺理解できてはいるんですが、実際やるとなるとまだペーペー!考え方として聞き流してください(笑)
ガンプラのスミ入れ方法と失敗例【まとめ】
今回はスミ入れ方法や失敗例についてまとめてきました!繰り返しになりますが、スミ入れは簡単にできるディテールアップの1つ。
ただし、ちゃんとわかっていないと、逆にダサくなったり、破損したりする可能性があります!現状Youtubeで情報を得る方も多いと思いますが、その多くで紹介されているのはエナメル塗料での流し込み。
素組みには向かないのでその辺は特に注意して置いてほしいポイント。ぼくも最初の作品でエナメルへの認識が甘く簡単にヒビが入ってしまった経験があるので、あのガッカリ感からは是非逃れてほしい気持ちっ!( ;∀;)
以上ここまで!
ありがとうございました!
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