今回は「HGUC マラサイ」のレビュー記事です(゚∀゚)2025年8月分の再販にてAmazonで購入。
カトキハジメ氏によるリニューアルデザインを1/144スケールに落とし込んだとのこと。
- メーカー:BANDAI SPIRITS(バンダイ スピリッツ)
- 登場作品:機動戦士Zガンダム
- グレード:HGUC(ハイグレード・ユニバーサル・センチュリー)
- 価格:1,760円(税10%込)
- 発売日:2005年01月
- HGUCシリーズ:No.052
レビューの総合評価

発売年は古く年代的に可動制限はありますが、マッシブなデザインにプロポーションが良い!脚部やバックパックにはモールドも多く造形クオリティは良いと思います!
ガシガシ動かすとパーツ構造上の破損懸念はありそうですが、基本的に強度も高くある程度動かしても楽しめました。
個人的には付属武装も全部とりつけることができる点は非常に嬉しかったポイントですね!
組み立ては簡単ですがパーツのかみ合わせの悪さは多少感じます。
それでも同年代のガンプラの中ではコストパフォーマンスの良さを評価したくなるキットでした。
本記事では↓下記の2つに分けて順にレビューをまとめていきます!
- デザインやプロポーション、可動域を確認したい人向け
- 組み立てやすさや注意点、改造などでパーツを確認したい人向け
パーツ確認したい人は「組み立てを見る」をタップでSKIPできるよ(^^)是非参考にしてみてください。
「HGUC マラサイ」素組みレビュー
武装を持たせた完成した全体写真が↓コチラ↓






一見モッサリしているようにもみえますが、四肢は長くプロポーション自体は良い!
レッグアーマーやスリッパが大型。大腿部のマッシブさも加わりパッと見た時に太く見えちゃいますがディテールもあり見栄えも良い。
「ビーム・ライフル」はアサルトに近い造形で肩部「シールド」に対し比較的小型。キットのサイズにもマッチしていると思います。

色分けは結構足りていませんが、付属シールは少量でした。塗装してっていう声が聞こえる・・・(笑)
下記では部位毎に詳細をレビュー。
頭部ディテールと可動域
- 頭部評価:
- デザインバランスは良いが可動域に関しては控えめでした!
造形・ディテール




- 頭部は錏(しころ)造形で左右・前後に幅がある
- アンテナは大型で縦に真っ直ぐ伸びている
- 動力パイプは軟質素材
- ひさしは深くモノアイはシールで再現
- モールドは少ない
- 頭部側面円形部分は「60mmバルカン」でパーツ分割されている

動力パイプと繋がる正面のパーツに合わせ目が出て、パーツ自体の形状が若干ズレているように見えます。
特に先端は気になる人もいると思うので、できるなら削って揃えてあげても良さそう。
可動域

- 首は上下に可動
- 左右にも若干振れる
- 首周りは干渉せず360度回転できる
腕部ディテールと可動域
- 腕部評価:
- 腕部には少量のラインモールドやリベットを単色で成形。肩部関節は大きく動かせるが左右の装備の違いで可動域に差がでる
造形・ディテール


- 肩部は台形のデザインで中央の斜線のモールドがあり、隅にも三角モールドが入っている
- 右はシールド接続用の軸、左はショルダーアーマー接続のボールジョイント
- トップから見ると内部ポリキャップを隠蔽しているカバーが露出している

- ショルダーアーマーには3本のスパイクがあり、すべてパーツ分割
- モールドはほとんどない

肩部はポリキャップのかみ合わせの影響で合わせ目が出る。

トップから見ても同様に合わせ目。

スパイクも肩部同様モナカ構造で合わせ目が出ます。

可動域


- シールドとショルダーアーマーのアシンメトリーデザインで腕上げの可動域に差がある
- 肩は引き出し関節で前に大きく可動

- 上腕はロールできる
- 肘は1軸関節で90度曲がる
- 手首もHG標準のボールジョイントで可動
胴体ディテールと可動域
- 胴体評価:
- パーツ構造は少ないが凹凸モールドで多層構造が表現されている
- 可動域は年代相応で不満はでるが、思ったより悪くない
造形・ディテール


- 胴体の面には多少の凹凸モールドがある
- 胸部はオレンジとレッドのパーツで構成されている
- エッジはあまり出ていない
- 背面にはモールドで造形を模したデザインになっている
- バックパックは2軸接続形式


- フロントアーマーはエッジがなめたような丸みが特徴
- モールドはほとんどない
- ウェストには頭部と同じ素材の動力パイプパーツを使用
- サイドアーマーには深い2本のラインモールド入り
- リアアーマーは2層のパネル造形
- リアはフロントのように丸みがあるわけではなく比較的直線のデザインになっている
- 股間底部に3mmダボ穴はない
可動域

胴体は軸接続で捻りのみ可動できます。

↑画像の通り腹部がフロントパーツに干渉してしまうので、捻りは45度くらいに制限されます。

フロント・サイドアーマーは水平まで可動。

フロントアーマーは軸が繋がっていて、現在のスタンダードな形状とは大きく違いますが、同じように中央をカットして独立可動できます。
※ただし、カットした場合取り付けはポロポロして取り付けが難しいです。
特にこだわらないならカットしない方がいいかもですね。

HGには珍しく、リアアーマーも上下に可動させることができます。
程度は45度くらい。
フロントアーマーよりは制限されてしまいますが、同様に中央カットもできそうでした。

開脚は↑画像くらい足を開けます。

股関節は当時標準のボールジョイント。動かして楽しむ際には無理に動かすと折れることがあるので注意ですねー。
脚部ディテールと可動域
- 脚部評価:
- 大腿からつま先まで大きめにデザインされマッシブさが際立つポイント!
- 2025年基準で見ればあまり可動は良くないが、2005年発売と思えば十分!
造形・ディテール

- 大腿パーツは太めになっている
- 膝裏には別パーツ化された動力パイプがある
- レッグアーマーは大型で背面には偏ったラインをパネルラインに見立てている
- モールドは凹凸が少量

大腿部は左右からの挟み込みなので正面に合わせ目が出ますね。

- スリッパは大きく、つま先にラインモールドが入っている
- 外側のくるぶしには2連装バーニアがあり、バーニアと側面カバーは単色だが別パーツ化されている
- 足裏のモールドは深く充実している
可動域

- 足は水平に満たない程度まで上がる
- 膝は90度程度曲がる
- 足首は上下に若干可動できる

驚いたのは接地性の良さ!
スリッパやレッグアーマーが大きいキットは接地性に難があることも多いんですが、↑画像をご覧の通りある程度開いてもピッタリ足裏が接地しますね!
ただ、外側へはバーニアが干渉して動きませんでした。ポージングには影響ないと思うのでこういう「いる・いらない」を割り切ったような構造は個人的に好き(^o^)
バックパックディテールと可動域
- 脚部評価:
- モールドによるディテールが多くバーニアもパーツ分割され細かい一方、色分けが足りていない
- 可動ポイントはなし
造形・ディテール

- 造形はリュックのようなデザインでモールドは多い
- 動力パイプは本体には繋がっておらず、取り付けはバックパックで完結している
- バーニアは小型の3連装バーニアは一体化したパーツを取り付け、サイドの大型パーツは独立で分割されている
- 簡易だが内部バーニアまで造形がある

動力パイプに合わせ目が出て、頭部同様位置ズレも見受けられます。


バックパックは上下・左右に合わせ目が目立ちます。
付属品一覧
ビーム・サーベルをタップで見る

「ビーム・サーベル」はエフェクト2本、サーベル2本が付属。
イロプラに成形されていたのでエフェクト名称は不明でしたが短いタイプ・・・おそらく「SB-6」くらいのやつ。
エフェクトは短いが、サーベル自体がの長さがエフェクトの1/3くらいあるのも特徴。
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「ビーム・ライフル」のデザインはアサルトライフルっぽく、グレー単色での成形。

パイプやパネルラインなど細かい造形もありディテールはあります。
サブグリップは差し込み式なので可動なし。右手に持たせる前提の設計になっているのは少し残念ですね。

グリップには小さい軸があるので、それを専用ハンドパーツのダボ穴に差し込んで固定。スッポ抜けやカチャカチャ鳴るのを防げます。
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「シールド」の表裏は↑こんな感じ。
基本的に面が広く、ラインモールドが少々入っている程度の控えめデザイン。写真でも分かる通り結構ヒケが目立ちますね。

「シールド」裏には「ビーム・サーベル」をマウントできる箇所があり、2本とも収納可能!

上下とも180度くらい可動できるので見せ方を変えられそうですね。

ディテール紹介でも見せたように「シールド」は右肩部にポリキャップと軸で接続します。
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ハンドパーツは3種付属。
- 右用の「ビーム・サーベル」握り手
- 右用の「ビーム・ライフル」握り手
- 左手用の半平手
↑このチョイスだとライフルとサーベルの2つ持ちなどができないのでちょっと残念ですね。
平手はポーズに躍動感が出しすいですし、軽く握ったようなデザインなのでサブグリップを握るのにも使えます。
付属品のレビューは以上!!
HGUC マラサイ:ポージング例と耐久力
「ディテール・可動域」のレビューを踏まえて「HGUC マラサイ」で再現できるポージングを紹介!



スパイクで突進!

「シールド」のかまえ。大型ですが軸可動とロール回転もできるのでポージングの邪魔になることはありませんでした。










「ビーム・サーベル」と「ビーム・ライフル」を併用したかったのでちょっと変な使い方してみました。


↑こういう「シールド」と「ビーム・サーベル」の一体型みたいな武装好みなんですよねー!(゚∀゚)

ポージング例は以上。
全体的にやはり固さがポージングに出てしまっていますが、胴体の可動がほとんどできないキットなのになかなか動く方なんじゃないかなと思います!
特に「シールド」はフレキシブルですし、サーベルのポロリがないのも良い。
大型のレッグアーマーで可動域の狭さ以上に動きを表現できないのは残念だったかな。
総じてポージング自体は満足できませんが、造形・プロポーションの良さでカバーしている印象でした。

今回はダボ穴がキットにないので「アクションベース7」に股関節用のジョイントを使っています。
HGUC マラサイ:2時間動かして分かった「耐久力」・「保持力」
ポージング撮影で2時間ほど動かしましたが、保持力も良好ですし劣化や摩耗を感じる点もありませんでした!
これはスゴイ!!!
ポリキャップのグラつきのような不安定さは残るものの、ポロリもありません。
組み立ててから撮影を終えるまで不満がありませんでした(^O^)優等生!
組み立てレビュー:難易度と注意点
ここからは興味を持ってもらった人向けにキットの構造や組みやすさなどを紹介します。
- 組み立て難易度:
- 組み立て所要時間:1時間~1時間30分
パッケージ内容をタップで見る




パッケージアートはちょっと古さが際立つHGUC仕様。




箱側面や説明書内部には完成見本や部位毎の紹介、機体解説が掲載されています。カラーガイドを見ると完成品に使っている色は5色。

ランナーやシールは2袋にまとまっていました。
ランナーの実物をタップで見る
ランナーは全部で4枚。大きいパーツが多めですね!




組み立て:構造や特徴

頭部はシンプル!モノアイは可動せず、シールを貼る位置で任意選択できるタイプ。

肩部はポリキャップを挟み込むタイプ。全体的にこういう構造が多く合わせ目が出やすい原因になっていると思います。

肩の引き出し関節はポリキャップとの組み合わせ!ポリキャップの軸と受けのC型でヒンジのように動かすことができています。

ハンドパーツは初めて見る平軸タイプ。

関節に動力パイプを取り付ける仕様は見たことなかったので新鮮。

ブロック毎に組み立てたのが↑こんな感じ。
肩の引き出し関節以外は全体的に懐かしい構造で、関節はポリキャップで構成されています。
パチ組みの「HGUC マラサイ」







武装を取り外しても印象は変わらずマッシブ。脚部だけ見ると重量MSのように見えるんですが、上体は
組み立てる時の注意点
組み立てで感じる注意点は特にありませんでした!優秀(笑)
強いていうなら、組付け精度があまり良くないので、組付け順を間違えて分解すると軸が折れる可能性があります。
パーツオープナーとか使った方が良いですね!
Z関連ガンプラと比較
機動戦士Zガンダムに登場した「HGUC リックディアス」・「HGUC バーザム」と比較してみました。
【HGUC リックディアスとの比較】


同時期に発売されたキットなので、外観のディテール量は同じ程度に見えますね!
「マラサイ」は動力パイプが軟質パーツで再現されている点や接地性の面で「リックディアス」より完成度が高いように見えます。
【HGUC バーザムの比較】


「HGUC バーザム」は2017年発売なので構造やパーツのエッジ、成形の精密さに違いがあります。特に関節は外観から見ても構造の違いがわかりやすいポイント。
一方、プロポーションは違いはあれど、マラサイも十分見た目のクオリティは高いように思いますね。
最後にちょっと類似点あるなーって感じたキットと比較。
【HGUC ギラ・ドーガとの比較】



2008年発売の「HGUC ギラ・ドーガ」と比較すると↓下記の点で類似点を感じました!
HGUC マラサイ【レビューまとめ】
総じて「HGUC マラサイ」は造形に特化しているので飾って楽しむガンプラでした!
個人的には最近のHGは武装とか付属品はあるけどそれをマウントできるようなものが付属している印象。
対して2000年代初期のキットは可動の弱点がある反面、マウントできたり全部持たせることができるなどこだわりのような情熱を感じられるのが良い。
「HGUC マラサイ」もその1つだと思います(^^)
正直パッケージで見ていた印象と組み立ててからの印象はかなり差があって大満足でした!!!
以下長所と短所をまとめます。
長所と短所

- 造形・プロポーションバランスが良く、立ち姿でのディスプレイにおすすめ
- 一般的な「ビーム・サーベル」でなく、特徴的な長い柄で見栄えが良いしスッポ抜けもしない
- 2005年当時のHGガンプラとしては良く動かせる
- 武装はすべて取り付けできる
- 購入しやすい価格帯

基本的には良かったとしか言えないが、強いていうならの弱点を挙げます!
- 腰部に一体化したボールジョイントの股関節で破損の可能性がある
- 「ビーム・ライフル」・「ビーム・サーベル」の取り付けが右手に限定されている
- 股関節にダボ穴がないのでアクションベースの使用が制限されている
- キットが人気でオンラインだと購入が難しい
こんな人におすすめ!
「機動戦士Zガンダム」が好きな人や「ジオン系MS」が好きな人は気に入る完成度になっていると思います!
特に塗装勢にはおすすめ!
レビューで述べた通りパーツ分割は思ったよりされていますが、色分けに力が入っていません。「自分でかっこよく塗装してみなっ!」という挑発にもとれる。
是非ともオリジナルのマラサイに仕上げてみてほしいと思います(゚∀゚)←オマエモナ
↓以下の人におすすめ↓
レビューは以上、おしまい。
↓Zシリーズのレビューをもっと見る↓



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