「HG ドム試作実験機」のレビュー記事!
2016年発売のガンプラですが、ORIGIN系は「造形・可動」面で完成度が高く非常に人気があるHGガンプラシリーズ。

- メーカー:BANDAI SPIRITS(バンダイスピリッツ)
- 登場作品:機動戦士ガンダム THE ORIGIN
- グレード:HG(ハイグレード)
- 価格:2,420円(税10%込)
- 発売日:2016年02月27日 (土)
- 購入手段:家電量販店
【レビュー結果】
2016年発売のキットですが、造形・ディテール・可動域の面で非常にクオリティが高いHGガンプラです!
ギミックが極端にないのが少々残念でしたが、大型の「ビーム・バズーカ」や「複数のハンドパーツ」を駆使して広いアクション表現ができるのはドムとは思えない驚きがありました!
一方、組み立てはそう難しくありませんでしたが、ポリキャップが荒くバリがパーツに干渉して開いてしまうことがありました。
あと、満足度と驚きはありますが、付属品の種類とギミックのなさによるコストパフォーマンスが若干欠けている気もします。
本記事では総合評価を先にまとめた後、外観・ディテールや可動域、付属品など詳細のレビューをまとめています。
多少気になる点はありますが、完成度の高いドムが欲しい人は是非覗いていってください(^^)
レビューの総合評価

- ★5段階評価点数:55〜60点
- ★4段階評価点数:49〜54点
- ★3段階評価点数:30〜48点
- ★2段階評価点数:16〜29点
- ★1段階評価点数:〜15点
総合評価は★4相当!
上記レーダーチャートで示す通り、ギミック面で大きく点数を損ない、保持力・コスパ面で若干減点された結果でした。
それでもHG、且つドムという視点でみるとかなり高評価のHGガンプラです(・∀・)
良かった点・良くなかった点

- 細身の上半身に大型武装とアンバランスでディスプレイにメリハリが出る
- 可動域が広く高いアクション性はもちろんS字立ちでのディスプレイができる
- 首の可動だけでは表現しきれない視野の移動をギミックのモノアイ可動で表現できる
- 地上仕様・宇宙仕様でボディの一部を変更でき忠実な設定再現ができる
- マーキングシールがホワイトでダークな外装に対して見栄えが良く、ディテールアップが簡単
- 足首はロール軸で接地性が高く不自然な立ち姿にならない
とにかく柔軟な可動とプロポーションバランスでディスプレイ映えするのが強み!

- 小さ目のランナーが複数使われていて探すのが面倒
- ポリキャップがやわらかめの精度があまり良くないタイプ。バリなどの影響で一部パーツのかみ合わせが良くない
- キットの完成度は高いがコスト面で少し高い
組み立ての際、ランナーをあっちいったりこっちいったりして説明書を見るのが面倒になることがありました。
さらに、ポリキャップの精度の悪さが組み立てに若干の影響を及ぼしますが、対策は比較的簡単でしたね。
キット本体のクオリティが良い一方、付属品やギミックの物足りなさでコスト面は若干高く感じる人もいるかもしれません。
こんな人におすすめ

ポジショニングマップ
- X軸:情報量、プロポーションの再現度、パーツの細分化による色分け度
- Y軸:変形・分離ギミック、武装・付属品の豊富さ、保持力
- 円のサイズと色:可動性の高さ
キット自体のクオリティが非常に高いので、HGでドムのハイエンドを求める人に特におすすめしたい!
もちろんディスプレイ・アクション性共に高いので基本的にどんな人にもおすすめできるんですが、何度かお伝えしている通り、武装・付属物の観点で価格的に物足りなさは感じてしまうかもしれません。
「HG ドム試作実験機」素組みレビュー
全体の見た目や、各部位毎に詳細をまとめました!
まずは武装した全体の外観をご覧ください↓↓


ダークブラウン・グレー・アイボリーの成形色で構成され試験型らしい落ち着いたトーンの配色になっていますね!
ドム試作実験機には動力パイプが露出しているのが特徴。
さらにパチ組み・素組み状態で外観から得られるディテール量はかなり密度があります!

マーキングシールもホワイトが多く外装のトーンが暗めという点を考慮するとかなりディテールアップすると思います!
以下、部位毎のディテールや可動性を実際に動かして解説します!
頭部:ディテールと可動範域
造形・ディテール

- 頭部は曲面でモールドなどは入っていない
- フェイスにはクリアパーツが使われている
- 動力パイプは軟質で光沢のあるパーツを使用
可動域


- 上に45度くらい上がる
- 頭部デザインの干渉で俯きは不可
- 左右に大きく振れる
- 首は干渉もなく一回転できる
ギミック

首周りの可動は突出して良いとは言えませんが、ドム試作実験機はボールジョイントで上下・左右・斜めまでモノアイを大きく動かすことができます。
モノアイ可動ギミックを搭載したキットはこれまでもいくつかあり、「HG ゲルググメナース」などのモノアイはレール可動で左右のみ可動できるもの。
腕部:ディテールと可動域
造形・ディテール

- ショルダーは広い面パーツで構成されディテールはない
- 側面から見ると上腕に合わせ目が出る
- トップからみると合わせ目が出る

肩関節の上下にも合わせ目がでます。


- 肘周りはリベットのようなディテール密度が濃厚で、前腕にはパネルラインも表現されている
- ハンドパーツの甲にディテールはないがハンドパーツはシッカリ造形されている
- 前腕正面には合わせ目が出る
可動域

- 肩は前方に大きく引き出しでき、ボールジョイントで接続なので前後可動できる
- 肘は2重関節で肩に引き寄せるまで曲がる
- 上腕はHG標準のロール回転できる
装備した「ヒート・サーベル」を掴むようなアクションが可能!
胴体:ディテールと可動域
造形・ディテール

- 胴体パーツ分割が多く自然なパネルラインで陰影を表現している
- 細かいモールドも多い
- 頭部同様軟質で光沢のある動力パイプがフロントからリアにかけて繋がっている

- バックパック中央「ヒート・サーベル」をマウントする箇所はモールドによるレイヤー表現がある
- 左右には小型のバーニアが1基ずつある
- バーニアカバーは曲面で一部のみマイナスモールドが入っている

- フロント・サイド・リアアーマー全てにマイナスモールドやレイヤー表現された凹凸モールドが入っている
- サイド・リアアーマーには3mmサイズのダボ穴が空いている
可動域

バーニアは左右繋がっていて連動して上下に可動できます。

フロントアーマーは90度以上跳ね上がり、サイドアーマーは45度程度上がりました。

- 前屈は少し、仰け反りは大きくできる
- 左右にも胴体を大きく振れる
- 腰部周りに干渉はなく一回転できる

胸部と腰部にボールジョイントが仕込まれているので胴体は柔軟な可動ができるようになっています。
可動域の広い「SEEDアクションシステム」にも取り入れられている仕様。

2軸あることで「S字立ち(ヒーロー立ち)」もできました!素立ちでも見栄え良くディスプレイできますね!

股関節は軸接続で180度開脚できました!
脚部:ディテールと可動域
造形・ディテール

- レッグアーマーも大型だが大腿部も太くマッシブでディテールも入っている
- レッグアーマーには分割表現のラインモールドが豊富に彫られている
- 膝側面にはリベットの造形がある

- 足首下は比較的ディテールが少ない
- 足首側面にはバーニアが入っている
- 足裏にはリベット・パネルライン・バーニアが造形されている

足首側面のバーニアは外側内側の両方に1基ずつ搭載。サイズは小型ですね!
可動域

- 足は前に90度近くまで上がる
- 膝も90度近く曲がる
- 足首は上に大きく上がるが下にはほとんど下がらない

バーニアは前後のみ少し可動できるこだわりポイント。

足首は上下可動の他横にも可動できるので接地性が高くなっていてGOOD!
特にドムは足裏が浮きやすいのでここまで接地性が良いのはないんじゃないでしょうか?
3種の付属品
「HG ドム試作実験機」に付属する各種詳細をまとめました。
ビーム・バズーカをタップで詳しく見る

大型のビーム・バズーカでグリップ部分は可動できて向ける角度など調整ができます。

ディテールは↑画像の通り、本体には数こそ少ないものの深いシッカリしたモールドがあり、チューブのメカディテールもありますね。
側面は別パーツで取り付けるスコープ部分で特にメカディテールが細かい。

2パーツをはめ合わせるだけの簡易なものなので縦に合わせ目がでます。

グリップには平軸があり、右手専用パーツにはダボ穴があるので固定できます!
ヒート・サーベルをタップで詳しく見る

ヒート・サーベルは通常のサーベルに使われる接続軸ですが、軸上部分まで柄に差し込めるので一般的なサーベルエフェクトより折れる確率は低そうでした。

↑画像白枠内にはパーティングラインがでるので、「マジスク」や「デザインナイフ」でサクッと削ってあげた方がいいかも。

柄のか下部は太めになっているのでスポ抜けなどありませんでした!ストレスフリーで持たせられます!
ハンドパーツをタップで詳しく見る

ハンドパーツは3種付属。
- ヒート・サーベル持ち手(左右分)
- ビーム・バズーカ用(右手分)
- 平手(左手分)
付属品は以上!!
HGにしてもちょっと数が少ないですね。「ビーム・バズーカ」
「ポージング例」と「保持力」
「HG ドム試作実験機」のポージングをつけてアクション性を証明したいと思います!さらに数時間動かした結果パーツの強度や保持力はどうだったのかも一緒にまとめました。



【ビーム・バズーカを持たせて】


疾走してる感も出せます!モノアイで向きを調整すれば意識をどこに向けて行動しているのかなども表現可能!

蹴り!脚部は開脚も上げも十分!



「ビーム・バズーカ」は大型で見栄えが良いですが、振り回しはサイズの都合上ちょっと動かしにくく感じました。
片手でも保持できてポーズできたのは良かったですね(^^)
【ヒート・サーベルを持たせて】





ここから「宇宙仕様」に換装。



胴体・腕部・脚部の可動域が広いことで躍動感のあるポージングを実現!ストレスフリーで非常に動かしやすい(゚∀゚)
【ここから数枚適当に】

ハイキック!アンクル周りは大型パーツなので安定性が高い。








【ポージングを終えての感想】
以上、一通り動かしてみた感触ですが、可動は非常に良くガシガシ動かして楽しめるクオリティだと思います!
2016年のHGではあまりみない胴体軸の可動域を持つことでダイナミックな表現から些細な銃身の移動表現まで可能!
加えてモノアイで空いてを見据えることができるため、ポーズに指向性を持たせることができるのも良かったと思います。ただ、ポーズ毎にモノアイを動かすのは流石に面倒に感じました。
パーツの耐久力・保持力評価
2時間動かした結果、基本的にスッポ抜けやポロリのような動かしていて不安になる箇所は特にありませんでしたが1点だけ!

手首ハンドパーツを保持するポリキャップが「ビーム・バズーカ」の重さに耐えられず抜けてしまうことがあります。
「ヒート・サーベル」は問題ないので重量的な問題ですね。
保持力自体も足りているので、抜けにくいように差し込み口の幅を狭める対策をするだけで解消できました!
↓対策した実例がコチラ!

ぼくは接着剤で補強しました!補強したのは内部パーツの差し込み口部分。
内部の保持力は十分だったので、動かしても抜けにくい程度に狭めています(‘ω’)ノ

手首を上に動かした状態でも垂れてきませんし、動かしても簡単に抜けなくなりました!
今回はシブミ強化ではないのでバーニッシュ系とかではなく接着剤がおすすめ!
「瞬間接着剤の硬化時間が待てない!」という方は↓硬化スプレーおすすめ!ぼくはウェーブさんの匂いがあまりでないやつ使ってます。
組み立てレビュー
ここからは組み立てフェーズ!
先に外観のレビューで側や可動域はわかったと思うので、パッケージの内容物・ランナーを始め、注目の構造などをまとめます(・∀・)
パッケージ内容・ランナー・再販情報
パッケージの内容物やランナーに関しては再販情報記事に確認用としてまとめているので、コチラを合わせてご覧ください↓↓
組み立て難易度と構造
- 組み立て難易度:初心者~
- 組み立て所要時間:2時間程度(ゲート処理なし)
組み立てに複雑な工程はなく初心者さんでも挑戦できると思います。
以下組み立ての様子とパーツ内部の一部を紹介(^^)

ランナーを確認すると数字タグがちょっと大きめでした!グレー系のランナーは数字が確認しづらいことも多いのでこれは嬉しい(老眼とかじゃないからねw)

胸部にはボールジョイントが入っているので「SEEDアクションシステム」のように前後・左右の可動を可能にします!

背部ランドセルは2軸なので他のキットから差し替え可能。

胴体に使う光沢のチューブは3箇所切れ込みのようなものが入っており、動かせるようになっていました。
軟質なだけでも動かせますが、よりシッカリ安定してはめ込めるような工夫ですね。キレイにとりつけたら切れ目は目立たないので良い仕様だと思います。

股間節には前後可動できるギミック!裏側の可動仕様が↓こちら。

1つの軸を起点に左右に動かすようになっています。
軸の強度は少し心配ですが、これなら作りもシンプルですし、パーツを厚くすれば強度も増すので良いと思いました!

肩付け根はポリキャップでボールジョイント接続に加え、肩自体を上下可動できるようポリキャップで軸が入っています。

胴体は地上用と宇宙用で選択式で組み換え。

↑画像の宇宙用はクリアパーツがなくより密閉した表現のパーツになってますね。

余剰パーツはポリキャップのみで、PSパーツに余りは出ませんでした!
素組み完成レビュー
武装なしの完成全体写真が↓コチラ↓








スッキリした上半身に対し重量感のある下半身が特徴的で、外装はパーツの分割と多数のモールドでディテール量もバッチリ!
武装なし、マーキングシール無しでも十分なクオリティだと思います(‘ω’)プロポーションが良すぎる!!!
【初挑戦向け】3つの簡単ディテールアップ!
- マーキングシールを貼って上からトップコート(クリアパーツは吹かないように)
- モノアイを塗装
- 合わせ目消し(できる人・挑戦したい人)
単純にマーキングシールを貼ってつや消しトップコートを吹いてあげるだけでクオリティは簡単にアップできると思います!

合わせ目が目立つ箇所もあるので気になる人は消すのに挑戦しても良さそう!
ただし、合わせ目消しは経年劣化が顕著に出て、消し跡が変色することがあります。塗装する前提で取り組むのがおすすめ!
更に部分塗装にも挑戦したい人にはモノアイのみの塗装をおすすめ!

モノアイシールは↑こんな感じでグラデーションがかかった感じになっていて書いたように見える。メタリック感が好きな人はここだけでも塗ってみるといいかもしれません(^^)
HG リック・ドムⅡ(ツヴァイ)と比較
2004年に発売された「HGUC 1/144 リック・ドムII(ツヴァイ)」と比較してみました。



全体的な造形は類似点が多く試作実験機から大きく変化はしていない様子。
ただ、「ドム試作実験機」の方は胴体周りが小型に設計され、バズーカは大型。劇中設定ではちょっとわかりませんが、キットとしては大分プロポーションに手が入っているのが伺えます。
「リック・ドムⅡ」のジャイアント・バズーカと「ドム試作実験機」のビーム・バズーカのサイズは特に目立ち、見た目のディテール量に圧倒的な違いが顕著に出てましたw。
比較した「HGUC 1/144 リック・ドムII(ツヴァイ)」をレビュー記事で見る
HG ドム試作実験機【レビューまとめ】

レビューしてみた総評を改めてまとめると、完成度はメチャクチャ高いが価格が高い分「ギミック」か「付属品」がもう少しほしかったHGガンプラでした!
本体のクオリティで
ドムとしてもHGガンプラとしても間違いなく完成度は高く、造形でいうと最新キットにも全然見劣りしません。
ノッペリになりやすいHGドムにこれでもかと言わんばかりに表現されたディテール満足度が高く、可動域もメチャクチャ広い。
ドムが好きな人にはマジでおすすめしたいドムの最高峰といってもいいのではないでしょうか。
以上、現場からのレビューでした!おわり。




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