今回は「HGUC グフカスタム」をレビュー!
登場作品 | 機動戦士ガンダム 第08MS小隊 |
メーカー | BANDAI |
グレード | HG(ハイグレード) 1/144スケール |
価格 | 1,980円(税10%込) |
発売日 | 2010年11月06日(土) |
2025年より200円ほど値上がりだったので3月に駆け込み購入したキット!
武装はずっと良いなと思っていたんですが、年代的に可動などが心配で手が出しずらかったんですよね。
同じように購入検討している方もきっといると思います。
完成した外観がコチラ↓

グフカスタムは陸戦戦闘を想定した機体設計で、軽量化と推進システムの組合せで重力下における戦闘では「07系MS」の中で最高傑作と呼ばれた機体。

設定上、重力圏で可動することを想定した陸戦武装に接地面の広い足がデザインに落とし込まれています。

ガトリング・シールドはボリューム感があり、正直この武器はかなり欲しかった!






値上げしてからクオリティは「価格に見合っているのか?」という点は正直気になる方も多いと思います。
率直にどんな人に向いているのか?評価はどうなのか?
下記では総評してから↓目次の流れで詳細をまとめていきます!
次回再販で検討している方は是非チェックしてみてね!
レビューの総評:プレイバリューは高いがディスプレイ特化!

レビューの総合評価
率直にぼくのコストに対する評価は「ちょっと高い!!!」
武装収納ギミックにモノアイの可動とプレイバリューは高く、キレイにまとまった外観の替わりに可動性を抑える結果になってしまった惜しいキットだと思いました!!!
外観は全体的に薄いブルーと濃いブルーでまとまり、武装はグレーで兵器としての重量をちゃんと表現。色分けは甘いですが、2010年にしては良くできていると思います。
ギミックも豊富で付属武装を本体にまとめて取り付けるなど管理が少なくて済むのはかなり嬉しいポイント!
モノアイも可動するので相手を見据えることもバッチリ!
残念だったのは懸念していた可動性で、関節は良く動くものの装甲の干渉による制限がかなりかかっていました!
さらにポリキャップが多用されていて摩耗もしますし、質が良くないため緩みが最初からある箇所もあります。
長所と短所


どんな方におすすめ?

マッシブに造形された腕部に脚部、ボリュームのある武装と素組み段階で立たせているだけで見栄えが良いなと思いました!
よってディスプレイ特化!!!飾って楽しむ方に強くおすすめします!
ギミックによるプレイバリューは高いですが、本体の可動性であまり活かしきれていない印象。
立たせてディスプレイする前提で塗装や、保持力補強・スジボリ・塗装の練習キットとして使うのが特に良いと思います。
あと、改造も!手を加えると可動性は上がりそうなので、もし改造できるなら全然ありですね。
可動重視する方が作るとコストパフォーマンスが低く感じると思う点も留意!
以下では総合評価を踏まえて素組み状態の「HGUC グフカスタム」で実際につけることのできるポージングの一例と耐久力を紹介します(=゚ω゚)ノ
HGUC グフカスタム:ポージング例


脚部周りは制限される代わりに接地性は比較的高め。


蹴りなどのポーズは足が上がらないのでかなりしんどかったです!

ヒート・サーベルは形状的にも長さ摘にもバランス取れて良かったです!身近くて不満がでることはなさそう。



シールドは平軸なので柔軟に使うのは難しかった。


シールドガトリングは片腕でも保持出来て、全長はグフカスタム本体に匹敵するサイズ感。




ヒート・ロッドはワイヤーなので、なんども形状を変えてしまうとボコボコしてキレイな曲線を描くのが難しくなりそう。
先端は軽いので重さに負けることはありませんでした。


ポージングはこんな感じ。
地上用ということで、できれば疾走シーン表現したりしたかったんですが、脚部の可動制限でそれが難しかったのは残念なのと、腰部の捻りができないのはかなりイタかった!!!
肩回りは十分に動いてくれますし、開脚もまぁまぁ・・・腰部を動かせるように改造したら多分躍動感出せるんじゃないかと思いました(‘_’)
【耐久結果】:ポージングで2時間動かした結果!
全体的な耐久力に急激な劣化は見られませんでした!
個人的にポリキャップの質に難があったので、抜けやすくなる気がしていたんですが、これは僥倖!!!
↓下記の点が気になるポイント。

- 完成段階で手首が緩い
- 肩が少し抜けやすくなる
- シールド・ガトリングからシールドにするとテコで抜けやすい
①完成段階で手首が緩い

ポリキャップがかなりやわらかいのと、ボールジョイトの精度に差があるようです。
ハンドパーツによってシブミもかわる(個体差の可能性あり)
②肩が少し抜けやすくなる
肩は引き出しできるポリキャップ式なんですが、ロック機構を搭載しているためそれができません!
結果、動かすと固定されていて力が分散せず少しずつ抜けやすくなりました。
保持力は低下していませんが、動かすと抜けやすいって感じ。
③シールド・ガトリングからシールドにするとテコで抜けやすい

シールドのみの場合、↑画像赤点部分が比較的とれやすいです。
シールド・ガトリングの場合は問題ありませんでした!
上記保持力の低下は「ゆるいガンプラの関節補強法」の記事でまとめている通り修正できます!
全く知らないという方はチェックしてみてね。
キットの内容や付属品紹介

パッケージはこんな感じ。設定通り地上が背景になっています。

箱の厚みはあまりありません。

説明書と箱の側面には武装の解説や完成したフロント・リア・機体解説が掲載されています。

内面にはより詳しい武装解説。
それでは下記を詳細に見ていきましょう!
完成した外観
武装なしの素組み全体をチェック(=゚ω゚)ノ







モノアイとガトリング砲のスコープ用でシールが付属!
色分けは足りていませんが、薄いブルーに濃いブルー、加えてダークグレーのアクセントパーツ。水
色が好きかどうかは好み次第ですが非常にバランスの良い配色だと思います。
首の無さがやや違和感ですが、太めの四肢にマッシブな胴体と重量感を感じるデザイン。
個人的にマッシブな造形が好きなので評価高め!
組み立てで見る特徴や難易度
組み立て所要時間:2時間程度
まず組み立て難易度からいうと、構成自体は組みやすく問題ないと思います。
ただし!!!
説明書が古い仕様で非常にわかりにくい箇所や、カットしにくいパーツが多々ありました。
組み立てに不安がある方は↓公式からWEB版説明書が公開されているので、先に目を通してみるのもいいかもです。
公式:バンダイプラモデルWEB取説 | バンダイ ホビーサイト

胴体は↑こんな感じ。内部にポリキャップを入れるだけで、大きめのパーツで挟みこむ仕様。
シンプルながら密度感を感じるHGUCの特徴ですね。

フロントアーマは珍しく、ポリキャップのボールジョイントで接続!

2010年当時のスタンダードは3軸タイプの股関節。
ABSかポリキャップの2択になることが多く、グフカスタムにはポリキャップが採用されていました。
ポリキャップは精度が良くないと抜けることもあるのでちょっと不安でしたね。

ボールジョイントはパーツと一体化した仕様。
胴体を無理に動かそうとすると折れることもあるので、できるなら真鍮線を入れて補強するなど手を加えたいところ。

ポリキャップの精度が悪くバリがあります。
はめ合わせるパーツだとかみ合わせに影響するので注意したいところ。

↑こんな感じ。
画像左はポリキャップのかみ合わせが悪く隙間ができた状態。
右は左右向きを変え、上手くハマらなかった方を先にはめ込みました。
うまくいかない場合は向きを変えるだけで解決できるかも!
どうしてもうまくいかない場合、ヤスってあげるなどが対応が必要になりそう。

脚部構造はこんな感じでシンプル。

スリッパ部分は意外とクオリティ高めでロールと関節の起き上がりができます。
本来はこれができた時点で疾走しているアクション写真撮りたかったんですが・・・あまり活かせなかった(;’∀’)
付属品一覧

付属品一覧を紹介!
- 3連装35mmガトリング砲
- ガトリング・シールド
- ヒート・サーベル
- ヒート・ロッド
- 左右ハンドパーツ
【3連装35mmガトリング砲・ガトリング・シールド・ヒート・サーベル】

ガトリング・シールドは分離、合体可能!

ガトリング砲のみでももちろん装備できます。
35mmガトリング砲はスコープと反対側の一部は多少上下可動。

取り付けは基本平軸接続!内部には長方形のポリキャップを使用しているので摩耗はあまり感じません。
〇ダボはガトリング砲を取り付ける用ですね!
ちなみに35mmガトリング砲の砲身には横にパーティングラインが入っています。

装備すると↑こんな感じ。向きは固定です。

シールドにはヒート・サーベルをマウントできるギミック。
保持力も高く逆さにした程度では抜ける心配もなく良好。
ただし、耐久性でも書いた通り、シールドだけだと取り付け基部が少し抜けやすいのが弱点。

↑画像のようにシールドを上下から挟み込む形でガトリング砲と一体化させる仕様。
こちらも保持力十分で勝手に外れることもなく良かった!

ガトリング砲の給弾ベルトは軟質パーツで再現。

取り付ける際には先にハンドパーツから握らせてあとは平軸と手首を差し込めばOK!
言葉にすると小難しそうですが直感的にできました(‘ω’)ノ
【ヒート・ロッド】

ヒート・ロッドは展開状態と収納状態を差し替えで再現。

ロッド部分はワイヤーのみなのでクオリティとしては少し微妙。ディテールも何もありません。

収納・展開状態のいずれも右腕の手首付近に1mm程度の穴があるのでそこに差し込む仕様。
【ハンドパーツ】

ハンドパーツは↓下記が付属。
- 右:サーベル握り手・平手
- 左:握り拳・ガトリング砲用握り手

ガトリング砲用の握り手には内側に平軸用ダボ穴が空いているので、差し込んで固定できます!
各部位の「ディテール」と「可動域」をレビュー
グフカスタム細部のディテールに可動域など詳細をまとめていきます!
可動域に関しては思ってたより良かったものの、やはりポージングには影響が出るポイント。
可動性の高さを優先する方は刮目!(‘ω’)ノ
- 頭部ディテールと可動範囲を見る頭部評価:
- 腕部ディテールと可動範囲を見る腕部評価:
- 胴体ディテールと可動範囲を見る胴体評価:
- 脚部ディテールと可動範囲を見る脚部評価:
- バックパックディテールと可動範囲を見るバックパック評価:
頭部:ディテールと可動範囲

ザク系のチューブや指揮官特有のデザインが取り入れられた頭部。
チューブを含めて単色ですが軟質素材が使われています。
後頭部は丸みがある曲面でモールド類は一切ありません。

チューブにはパーティングラインが入っていて、少し目立つので処理推奨!
こういう時「マジ・スク」が便利。

首の可動は思ったより動きます!
上には少々、俯きはマスクのような部分が干渉するのでほとんど動かせず。
首周りには干渉しないので360度回転。
ボールジョイントなので左右にも少し振れます。

頭部には左右にモノアイを動かせるギミック搭載。

モノアイ部分はシールで色を表現。

裏にはレールを動かす軸があるので、手動で動かします!
腕部:ディテールと可動範囲

ショルダーは甲冑デザインで左右から挟み込むタイプで、一番大きな時のみ別パーツ化されています。
挟み込んだパーツをロックする役目もかねていそうですね。


ただし!側面・トップには目立つ合わせ目がでるので消してあげたくなるポイント。

肩関節には小さな突起があり、肩付け根に取り付ける小さいぱーつの凹にはめ込むことで、ガトリング・シールドを維持して構えることができます!
なくてもできますが、もし劣化した場合はヘタれる可能性があるので、仕様自体はあってもよさそう。

小さすぎて確認しづらいですが↑こんな感じ。

ショルダーは画像正面から見て右下に接続軸があり、縦ロールの可動付き!
ここはボールジョイントタイプが多い印象だったので個人的に嬉しい所でした。

1パーツが多い中、腕部はクオリティが高め!
合わせ目もなくパーツ分割によるパネルライン表現が出ていてディテールを視認できます。
ただ、肘のリベットモールドなどは色分けされていないのが少々残念な所でした。

ちなみに右腕・左腕でデザインが若干異なっています。
右はヒート・ロッド用の造形。
左はガトリングを取り付ける平軸が造形。

ハンドパーツはHGUC特有の丸みがある造形。
加えてサイズも少し大きいですね。

ボールジョイントで肩は前後少し可動。
腕部は水平に90度上がります。
肘は二重関節ではないので90度まで!
上腕のロールはHG共通の仕様。
胴体:ディテールと可動範囲

胸部は曲面でグレーのアクセント。
腹部にはオレンジのクリアパーツが入っています。
全体的に見てもディテールが多い部分で強度性の高そうな見た目はGOOD!

腰部も甲冑デザインで頭部同様チューブがバックパックと接続されています。

チューブは頭部同様パーティングライン入り。

サイドアーマーは若干左右に可動できます。
サイドアーマーがフロントアーマーと一体化しているようなデザイン。
実際に分割されているので表現されるパネルラインにはリアルさがでますね!

胴体は前屈は少しですが、後方に比較的大きく可動。
残念なのは捻り具合で、ほぼほぼ動かせませんでした。

股関節にはHG標準の3mm軸穴。

股間節自体はかなり動かせそうですが、サイドアーマーが制限をかけてしまっているのがほんとに残念!
これは手を入れられる方は改造してほしい所ですね。
腰部とサイドアーマー周りを改善できればアクション性はかなり増すと思います!!!
脚部:ディテールと可動範囲

脚部は曲面で細かいパーツ分割は出来ていません。
ただ、3パーツ構成で正面からは合わせ目も出ずメカニカル感も感じます。

腿側面・脹脛には段落ちモールド化して合わせ目が目立たない工夫あり!ただ、ヒール裏までは段落ちされていないので合わせ目になっています。

スリッパは丸みのある造形で細かいモールドは表は控えめ。
反面、足裏は細かいモールドが多く入っています。

フロントアーマーの干渉で前に少し、膝は二重関節で90度以上沈み込みます。

ロール可動も多少できますが、スリッパが大きいので接地性がやや落ちてしまってました。
バックパック:ディテールと可動範囲

バックパックはランドセルタイプ。
造形がシンプルにまとまったデザインで、表面にはモールドも入っていますね。
2連装バーニアがボールジョイントで接続されていますが、可動はほぼできませんでした!
ただ、軸だけで差し込むよりも抜けにくいのが良かった!

バックパックは2軸タイプ!
加工すれば独自のバックパックを装備できそうですし、ついでに可動性アップの加工もできそう!
最新同タイプキットと比較!
ほんとは近い年代で同価格帯の「HGUC ケンプファー」と比較したかったですが、手をつけてしまったので↓記事を貼っておきます。
下記では比較的新しい類似機体「ゲルググメナース」と並べて比較!(‘ω’)ノ



2024年発売「HGCE ゲルググメナース」と比較すると↑こんな感じ。
さすが最近のキットというだけあって、ゲルググメナースはプロポーションが良い。
対してグフカスタム。
個人的にですが、2010年と思うとこちらもプロポーション自体は良く、違和感は頭部周りにしか感じないかも。
太めの四肢と胴体のバランスは非常に良いように思います。
細部のパーツ分割による色分けは劣るものの、比較的ディテールが脚部に集中しているなど類似点が見られます。
キットを比較すると↓こんな感じ。
項目 | グフカスタム | ゲルググメナース |
---|
発売年 | 2010年11月06日(土) | 2024年03月23日(土) |
価格 | 1,980 円(税10%込) | 3,190 円(税10%込) |
組み立てやすさ | △~〇 | ◎ |
外観プロポーション | 〇~◎ | ◎ |
可動範囲 | 〇 | ◎ |
ギミック | 〇~◎ | 〇~◎ |
付属品 | 〇~◎ | ◎ |
耐久力 | 〇~◎ | ◎ |
価格的にも年代的に差が出てしまうのはしかたないですね!
ただ、平均評価はどれも安定していて、気になるのは可動範囲の差でしょうか。
それを除けばコスト的に見て納得できるかも?
個人的には値上げした時点で少し高いなという印象ですが、完成度自体は悪くなさそうですね。
ゲルググメナースは「ガンダムSEED FREEDOM」系キットの中でもかなり上位の完成度なのでちょっと比較が良くなかったかもしれません(;’∀’)
カスタマイズするなら塗装!
色々できることがありそうな「HGUC グフカスタム」。
「モノアイ・可動域拡張」なども良いですが、主に塗装の練習にもってこいのガンプラだと思います!
ベースカラーもシンプルで再現しやすく、部分塗装だけでもディテールアップができる。
全塗装もモチロンですが、何より”地上用”機体という点で初「ウェザリング」に挑戦するにはピッタリだと思いました。
ガトリング・シールドも金属感を表現できれば重量感のあるよりリアルなメカを再現できます。
塗装に関して挑戦できることが多く合わせ目も消しやすいと思うので最初のキットにどう(‘ω’)ノ?(笑)
ちなみにぼくも塗装予定!
可動域の拡張も考えているので、出来たらまた更新します!!
地上用ということで砂の汚れ表現なら↓コッチ。
焼けの表現なら↓コッチを使うと初心者さんでも簡単にできると思います。
HGUC グフカスタム【レビューまとめ】
まとめ!
印象からもあった可動域の狭さは弱点ですが、思ったより構造自体は動くようにできていたので改善の余地は十分にありそう!
付属品のガトリング・シールドの収納・連結ギミックはシンプルで安定しているのも良かった。
成形色の色味に関しては軽すぎるので好みがわかれそうですね。
再度コストパフォーマンスについて述べると、個人的にはやや高く感じます。
ただ、人気のある機体・・・造形自体は決して悪くありませんし、ギミックはクオリティも高い。
グフカスタムが好きな人には全然購入をおすすめしていいんじゃないかなと思いました!
説明書の見づらさ、組み立てにくさは初心者さんにやさしくありませんが、パーツ構成はシンプルなので完成まではいけると思います
現場からは以上!!!(=゚ω゚)ノ塗装には是非挑戦してみて欲しいガンプラでした!
コメント